年末のかまぼこ売りアルバイトは最強のまかない付き

学生時代、友人の実家で一緒に過ごすことになった時のことです。
友人の故郷である地方へと共に帰郷し、そこで親戚の営んでいる練り物屋さんで年末アルバイトをすることになりました。

そのお店は商店街にあり、年末の買出しという事で通りはとても賑やかで人でごった返していました。
そこで自分はかまぼこなどを担当したのですが、円形状にずらっとかまぼこが並んでいて、その真ん中に立ってお客様をさばいていくという仕事でした。
お店にはレジはありますが、その特設かまぼこコーナーにはレジはありません。
かまほごに囲まれながら、前後左右360度お客様に対応するのです。

年末の買い物というものはなかなかに殺気立っているもので、結構怒声が飛び交います。
深刻なクレームという類のものではないのですが、でもちょっときつく感じる慣れない方言も手伝ってはじめのうちはビビリまくりでした。
しかも、お店から渡されるのは「そろばん」ひとつだけ。
これが慣れていないものだから遅い遅い。

そんなそろばんで苦戦している自分をよそに、友人のそろばんはじきの見事な事。
そろばん検定1級取得者だったとは、はじめて知りました。で、根を上げて自分は翌日からは電卓で対応しました。
年末の寒さの中でのアルバイト、楽しみはまかないの「おでん」です。
これが本当に凍えた体にしみて美味しいのなんのって。
ストーブで炙られたおにぎりや、大福餅も絶品でした。
はじめての土地でのかまぼこ売りは最強のまかない付きアルバイトでした。